平成5年〜11年に発生した学校給食における食中毒事故(64件)は、全てが微生物(以後、食中毒菌と言います)によるものである事が判明してます。
HACCP(このシリーズで今後詳しく解説致します。)という食品の安全を守る為の手法も、1950年代に食中毒事故の約80%が食中毒菌を原因とする処から、その構築が始まっています。
食中毒は何故恐いのか?
旧厚生省による「大量調理施設衛生管理マニュル」旧文部省による「学校給食における食中毒防止の手引き」、これらの指導書がHACCPの概念を取り入れて、それぞれ1997年の春に修正発布されたのは、記憶に新しい処ですが、相変わらず食中毒事故は発生し続けております。
何故、人は食中毒菌に汚染された食品を食べてしまうのでしょうか?それは、人間の五感に全くその危険信号が伝わらないからです。つまり、食中毒菌が食品上で繁殖していても、臭い・味・色が全く変化していないからなのです。見ても、臭いを嗅いでも、食べてみても、全く解らないからなのです。
例えば、大腸菌は大量に培養して臭いを嗅ぐと文字通り大便の臭いを発散したり、黄色ブドウ球菌も大量
に培養すると、膿の臭いがしたりすると言われますが、これは、発症レベルを遥かに越えてコロニーを形成した場合の話ですから、知っていても食中毒を防ぐ手だてにはなりません。だから、恐いのです。
〜熱に強い食中毒菌と熱で殺せる食中毒菌〜
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なぜ、食品の温度管理(冷蔵・冷凍・加熱・温蔵)が必要なのか?なぜ、手洗いや食品に触れる備品の消毒が必要なのか?その全ての理由がここ、つまり食中毒菌の持つ性質によります。
熱に強い食中毒菌: よくある勘違いに「火を通したから安全」というものがありますが、25g毒素を集めれば地球上の全人類を殺せるというボツリヌス菌は、121℃もの温度にさらされて、20秒近くかかってやっと死にますし、ウエルシュ菌は100℃で100分以上生存したりします。つまり熱(75℃以上1分以上大量
調理施設衛生管理マニュアルにおける食品芯温規程)では殺せないのです。だから、手洗い、洗浄、薬剤による消毒が重要なのです。他にセレウス菌(85℃で106分生存)などがあります。
熱で殺せる食中毒菌:
O−157(65.5℃)、サルモネラ属菌(65.5℃)、腸炎ビブリオ(47℃)、黄色ブドウ球菌(65.5℃)、カンピロバクター(60℃)等、これら
は、熱(75℃以上、1分以上)で殺菌できます。
続く:
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