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■運ぶ

運ぶことの目的
運ぶことのリスク

■加熱調理

■冷やす

■洗う

■皮を剥く

■切る

■混ぜる

■ゴミ処理

■包む

■掃除をする
「運ぶ」:

プロの運営する厨房室が設計される時、もっとも重視されなければならないのは、その厨房室における「作業のしやすさ」です。学校給食や病院給食の厨房では、「作業動線」、つまり調理スタッフの動きを重視したニュアンスがあります。しかし、調理スタッフは一体何に左右されて厨房室の中を動き回るのでしょうか?それは「食品」です。
つまり、厨房室における「食品の動き:運び方」が調理スタッフの「作業動線」を決めるのです。よって最新の厨房室の場合では、「食品がどのように動くのか?」が念頭におかれて設計されます。

「運ぶ」ことの目的:

●調理作業全体の時間を短縮させる:
例えば最新のお弁当工場における食品の盛付け作業は、ベルトコンベアーに乗った弁当箱が移動して行くことで進行します。ここでは調理スタッフはほとんど動き回ることなく、各パートごとに分かれ、一点で作業をしています。ベルトコンベアーのスピードは、調理スタッフの作業スピードを最も効率的に引き出す状態に設定され、最短時間で盛付け作業が終了するのです。
全ての厨房室がこのようにコンベアーを使った効率化を成し遂げることは不可能ですが、食品を受入検収⇒保管⇒下処理⇒加工⇒調理⇒盛付け⇒配膳までの各プロセスを、一本のコンベアーに見立てて考え、食品をどのような方法で何を使って運ぶのか?を考えた時、調理作業全体の時間短縮が実現します。
また、基本はやはり「食品の逆戻りのないこと。」です。

●二次汚染・交差汚染を防止する:
食品が二次汚染を受けるケースには、以下の4通りがあります。

1.床からの跳ね水からの汚染:
食品を運ぶ時にもっとも発生しやすいケースです。大量調理施設衛生管理マニュアルで「食品の取扱いは最低限床上60cm以上で行うこと。」と定められている根拠がここにあります。ただし、60cm以上をしっかり守っても、床からの跳ね水による汚染を完全に防ぐことは出来ません。食品を入れた容器に必ずふたやカバーが被せられ、跳ね水がかかっても食品が汚染されないような装備が必要です。実際、濡れた床の上をゴム長靴で早足で移動した場合、跳ね水は1m以上の高さにまで跳ね上がります。

2.他の食品からの汚染:
食品を運ぶ時、ドリップの垂れた肉や魚類(加熱処理される食品)と野菜・果 物類(生食される食品)を一緒に運ばないことが大切です。跳ね水からの汚染を防ぐためにふたやカバーのついた容器に入れることはもちろんなのですが、下処理まえの食品の場合、容器の外側の汚染も想定しておかなければなりません。この汚染は冷蔵庫での保管や、調理作業中の一次保管の時などに発生しやすいケースです。

3.調理スタッフからの汚染:
調理スタッフが食品に触れるときの全てで発生しやすいケースです。食品を運ぶときで限定すれば、必ず食品を運んだ後には手の洗浄・消毒をしっかり行い、使い捨て手袋をして(表面 にアルコール消毒を施して)から食品に触れることが必要です。

4.調理器具・備品からの汚染:
基本的には、食品に直接触れる調理器具・備品は全て洗浄・消毒されていなければなりません。食品を運ぶ時で限定すれば食品を入れる容器が消毒・殺菌されていることです。

●調理スタッフの疲弊を防ぐ:
大量調理になればなるほど、食品を運ぶことは重労働となります。そのことによるスタッフの疲弊は、そのまま作業効率の低下と注意力の低下につながり、ひいては食中毒発生の要因となります。
効率よく食品を運ぶためには、どのような方法で?、どんな食品を?誰が?どのような器具を使って運ぶのか?を設定する必要があります。

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